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研究内容Research


小型実験動物のためのバルーン式左心室組織弾性センシング




本研究では,小型実験動物の左心室弾性情報の抽出を目的としたセンシングシステムを開発する.ここでは,摘出後の心臓に施行される物性評価試験群の一環として,左心室の組織弾性を物性値で評価する立場をとる.はじめに,左心室の輪切り状検体を内圧制御されたバルーン式プローブによって拡張させ,バルーン内圧と検体ひずみの測定値を用いて検体弾性情報を獲得する手法を提案する.つぎに,バルーン−検体系の力学特性を近似するために二重円筒モデルを導入する.厚肉円筒に基づく検体の力学モデルと薄肉円筒に基づくバルーンの力学モデルを組み合わせることにより,拡張変形前後の幾何学情報とバルーン内圧を計測パラメータとした検体ヤング率の算出式を導出する.つぎに,実験システムを開発し,シリコン検体を用いた模擬実験によって提案手法の有効性を確認する.最後に,ラットを用いた動物実験の結果について,提案手法によって左心室の弾性状態が評価できること,ならびに,正常ラットと拡張心不全ラットの判別が可能であることを示す.また,マウスレベルの小型左心室の弾性が評価できることを示す.


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Experiment

  • 東森充,石井亮平,多田隈建二郎,金子真,玉置俊介,坂田泰史,山本一博: 小型実験動物のためのバルーン式左心室組織弾性センシング, 計測自動制御学会論文集, vol.47, no.12, pp.648-655, 2011.
  • R. Ishii, M. Higashimori, K. Tadakuma, M. Kaneko, S. Tamaki, Y. Sakata, and K. Yamamoto: Balloon Type Elasticity Sensing for Left Ventricle of Small Laboratory Animal, Proc. of 33rd Annual Int. Conf. of the IEEE Engineering in Medicine and Biology Society (EMBC'11), (Boston, MA, USA, 2011.8.31), pp.904-907.