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研究内容Research


実測舌特性に基づく咀嚼ロボットシミュレータ −舌型空圧ソフトアクチュエータの試作−




 咀嚼困難者向け介護用ゲル食品の舌式咀嚼において「舌が,どのような圧力で食品を破断しているか」「舌が,どのような形状で破断片を撹拌,搬送しているか」といった舌機能の理解が,医歯学,リハビリテーション学,ならびに食品科学分野において切望されている.これを踏まえ,本研究では,舌式咀嚼機能の工学的理解と再現に向け,構成論的アプローチを採用し,舌式咀嚼ロボットシミュレータの構築を試みる.ヒトの舌挙動の全容を把握することは困難であり,仮に把握できたとしても,その全てをロボットで忠実に再現することは容易ではない.そこで,本研究では,舌式咀嚼中のヒトの舌特性を実測し,その再現に特化することで実機シミュレーションへの活路を見出す.
 本研究では,実測舌特性に基づく咀嚼ロボットシミュレータを構築する.具体的には,舌式咀嚼過程において口腔内で発生する圧力分布を測定し,その特性に基づき,舌式咀嚼を再現可能なロボットシミュレータを設計・開発する.提案システムは,舌型空圧ソフトアクチュエータと舌圧分布センサ付き口蓋から構成される.この舌圧分布センサは,ヒトの舌圧分布測定で使用するものと同一である.基礎実験として,試作したロボットシミュレータの動作特性,ならびに,ヒトの実測舌圧分布から抽出した代表的な波形の再現性を確認する.



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Prototype 2021

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Prototype 2022
     
  • 水野海渡, 平島光樹, 柴田暁秀, 兒玉匠平, 佐藤理加子 大川純平, 堀一浩, 東森充: 実測舌特性に基づく咀嚼ロボットシミュレータ −舌型空圧ソフトアクチュエータの試作−, 第22回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会(SI2021)論文集, pp. 2780-2784, 2021. SI2021優秀講演賞, 計測自動制御学会SI部門若手奨励賞
  • 水野海渡, 兒玉匠平, 佐藤理加子, 大川純平, 堀一浩, 東森充: アレイ状配置チャンバを有する舌型空圧ソフトアクチュエータの設計, 第23回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会(SI2022)論文集, pp. 87-92, 2022. SI2022優秀講演賞, 計測自動制御学会SI部門研究奨励賞
  • K. Mizuno and M. Higashimori: Internal Pressure Pattern Design for Variable Surface Shapes of Tongue-Type Pneumatic Soft Actuator, the IEEE Robotics and Automation Letters (RA-L), vol. 9, no. 4, pp. 3491-3497, 2024.