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研究内容Research


構造的異方性を有する柔軟体を用いた動的劣駆動型マニピュレータ




 近年,3D プリンタの普及により,複雑なソフトメカニズムを有するマニピュレータやロボットハンドの開発が容易になり,合わせて,ロバスト性や汎用性の高いマニピュレーション手法の研究が盛んに行われている.ただし,一般には,アクチュエータの発生する駆動力に対するソフトメカニズムの静的な形状変化に着目している.これに対して,本研究では,ソフトメカニズムの動的な形状変化に注目する.図(a) に示すような,構造的な等方性を有する棒状の柔軟体に振動入力を与えると,その先端は円弧状軌道を描く.このとき,柔軟体の粘弾性要素に基づき,入力周波数に応じて先端軌道の長さのみが変化する.一方,図(b) に示すような,構造的に異方性を有する柔軟体に振動入力を与えると,柔軟体全体がダイナミックに変形し,先端軌道の形状が多様に変化することが期待できる.本研究では,このようなソフトメカニズムの動的変形に着目した劣駆動型マニピュレーション手法について議論する.具体的には,構造的異方性を有するソフトメカニズムとして螺旋状柔軟体を取り上げ,螺旋体をアーム,プレートをエンドエフェクタとしたマニピュレータを開発し,螺旋体の振動軌道可変効果を活用することで,1つのアクチュエータによる非把持3自由度マニピュレーションが可能なことを示す.


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  • A. Maruo, A. Shibata, and M. Higashimori: Dynamic Underactuated Manipulator Using a Flexible Body with a Structural Anisotropy, Proc. of the IEEE Int. Conf. on Robotics and Automation (ICRA2022), (Philadelphia, PA, USA, May 25, 2022), pp. 7117-7123. Outstanding Student Paper Award Finalist. IEEE 関西支部 学生研究奨励賞.
  • 丸尾明廣, 柴田曉秀, 東森充: 螺旋状柔軟体の振動軌道可変効果に基づく劣駆動型マニピュレータ, 第21回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会(SI2020)論文集, pp. 1829-1831, 2020. SI2020優秀講演賞.